近年、街中やSNSなどでよく目にするようになったハイトーンカラー。
美容技術の発展や薬剤の進化で、昔に比べて髪の毛への負担が少なくハイトーンカラーを楽しむことができるようになりました。
とは言っても、通常のカラーに比べるとまだまだ髪の毛への負担は大きく、美容師さんにブリーチの施術を「髪の毛が切れます」「今の髪の毛にはできません」と断られたことがある方もいるのではないでしょうか?
そこで、ここでは美容室では詳しく教えてくれないハイトーンカラーの真相を、月100人以上ブリーチしている現役美容師が説明します。
これからハイトーンカラーをしようと思っている人は是非ご覧ください。
ハイトーンカラーのメリット・デメリット
メリット
- 出したい色味がきれいに出せる
- 透明感がでる
ハイトーンカラーの1番の魅力はできるカラーのバリエーションが増えることです。ブリーチをして髪の毛のベースを明るくすることで、ミルクティーベージュやピンクベージュ、シルバーなど、明るいカラーや透明感のあるカラーが可能になります。
髪の毛にもともと含まれている「赤味」や「オレンジ味」をブリーチで取り除くことでできるカラーの幅がグンと広がります。
デメリット
- ダメージがかかる
- 色持ちが悪い
- 施術時間が長い
- 料金が高い
ハイトーンカラーにするには髪の毛をブリーチしますが、ブリーチをすることの1番のデメリットは髪の毛のダメージが進むことです。手触りが悪くなったり、パサつきがでたり、ダメージが酷い場合は髪の毛が伸びたり切れたりする場合もあります。
次に挙げられるのはカラーの色持ちが悪いことです。ブリーチで一度髪の毛を明るくした状態がベースになるので、その上からカラーを重ねても金髪に近い状態に色落ちしてしまいます。
色落ちのスピードは染めたカラーの濃さや自宅で使用しているシャンプーの洗浄力の強さ、アイロンの温度などによって変わりますが、大体1~2週間で金髪っぽく色落ちしてしまいます。
ワンカラーでは出来ないようなきれいな色味が可能ですが、ハイトーンカラーの寿命は短いんです。
また通常のワンカラーメニューに比べて、工程が多くなるので施術時間が長く、料金も高くなります。
ケアブリーチについて
ハイトーンカラーにする際におすすめなのが「ケアブリーチ」です。
ケアブリーチとはブリーチの中ににケア剤を入れて髪の毛への負担を減らし、傷みを抑えることができるブリーチのことです。通常のブリーチよりも仕上がりの質感が良くなります。
ブリーチであることには変わりないので、髪の毛への負担を完全に取り除くことはできないのですが、従来のブリーチに比べるとはるかに低ダメージでブリーチすることができます。
ブリーチをする際に、ブリーチ剤の中にケア剤を入れるだけなので時間がかかることなく手間が増えることなくダメージを抑えることができます。
最新のケアブリーチはダメージや切れ毛を軽減してくれるのはもちろんのこと、髪の毛を明るくするパワーも大きくなっているものもあるのでハイトーンやホワイト系カラーにしたい人はケアブリーチを取り扱っているサロンに行くことをオススメします。
サロンにもよりますがケアブリーチの料金は+3,000~5,000円くらいが相場だと思います。
色持ちについて
ハイトーンカラーは色落ちが早くカラーの寿命が短いです。
カラーの濃さや色味にもよりますが大体が1~2週間程度で徐々に色が落ちて金髪っぽくなってしまいます。
色持ちの期間は、毎日のヘアケアやアイロンの温度、使っているシャンプーの洗浄力の強さなどでも大きく変わってきます。
ヘアカラーは熱に弱いので毎日ヘアアイロンやコテを使用する人は、使用していない人に比べて色落ちが早くなってしまいます。またヘアアイロンやコテは140°以上になると髪の毛が傷むだけでなく、一気に色落ちが進んでしまうので高温でのアイロンは控えましょう。
そして色落ちに大きく関係するのがシャンプーです。
市販のシャンプーのほとんどが石油系界面活性剤という強力な洗浄成分を使用しています。これは食器用洗剤にも含まれる成分で、頭皮の皮脂などを必要以上に落としてしまい、カラーの染料も落としてしまうんです。
洗浄成分が強いシャンプーを毎日使っている髪の毛と洗浄成分が優しいシャンプーを使っている髪の毛ではカラーの落ち具合が全然違うのでハイトーンの方は特にきれいな髪色を少しでも長持ちさせるために洗浄力の優しいシャンプーを使うようにしましょう。
またカラーシャンプーを使用すると色が長持ちしたり、色落ちした時の金髪感を和らげてくれます。カラーシャンプーにも様々な種類やカラーがあるので染めた色に合わせたカラーシャンプーを使用すると良いでしょう。
ブリーチ後のヘアケア
ブリーチ後は髪の毛がダメージしてデリケートになっているので髪の毛を雑に扱ってしまうとささいなことで髪の毛が切れてしまうことがあります。そうならないためにも、次回のカラーに備えても、傷んだ髪の毛を補修して育ててあげましょう。
サロントリートメントをする
サロントリートメントとは、サロンで行ってもらうトリートメントのことで、毎日お風呂で使うタイプのトリートメントと比べると栄養価がとても高くなっています。
日頃のホームケアに加えて月に1回のペースでサロントリートメントをしてあげると良いでしょう。
シャンプー・トリートメントを見直す
シャンプーはアミノ酸系の洗浄成分をし使用したものを、トリートメントはそれに合わせたものを使用しましょう。
シャンプーによっては泡立てる際の摩擦で髪の毛が切れてしまったりすることもあるんです。とても怖いですよね。
洗い流さないトリートメントをする
洗い流さないトリートメントとは、ドライヤーで乾かす前につける洗い流さないタイプのトリートメントのことです。
ドライヤーの熱や日常の外的ダメージからも守ってくれるので毎日使うようにしましょう。
ドライヤーでしっかり乾かす
髪の毛は濡れている時はキューティクルが開いてダメージを受けやすい状態になっているので、しっかりと完全に乾かすようにしましょう。
濡れたままだったり、半乾きの状態で寝ると枕の摩擦で切れ毛や枝毛ができてしまうのでしっかりと乾かしてから寝るようにしましょう。
ハイトーンに向いていない髪質
髪の毛のダメージがひどい
ブリーチは通常のカラーに比べると髪の毛への負担がとても大きいです。ある程度健康毛でないとブリーチをするのは危険です。
もともとダメージがひどい髪の毛にブリーチをしてしまうと、髪の毛がダメージに耐え切れず枝毛、切れ毛になってしまったり最悪の場合は髪の毛が千切れたりゴムのように伸びてしまい日常のドライヤーやシャンプーにも支障がでることもあります。
ブリーチで伸びてしまった髪の毛やチリチリに傷んでしまった髪の毛にトリートメントをしても、元のキレイな髪の毛に戻ることはありません。
エイジング毛
エイジング毛とは老化した髪の毛のことで、40~60歳代以降の方に多く見受けられ、年齢を重ねるとともに健康毛からエイジング毛へと変わっていってしまいます。
「乾燥したパサパサした髪の毛」「細く弱々しい髪の毛」「ハリコシのない髪の毛」これらはエイジング毛の特徴で、特に髪の毛へ傷むような施術を行っていない場合でも年齢と共に起こる現象です。
エイジング毛にブリーチをしてしまうとチリチリに傷んでしまう可能性があります。
細毛・軟毛
細くて柔らかい髪の毛は健康毛に比べてダメージに弱いので、ブリーチに向いていません。
しかし、細くて柔らかい髪の毛はブリーチで色が抜けやすい性質もあります。硬くて太い髪質の方に比べて少ないブリーチ回数で理想の色になりなすいです。
ブリーチの強さや髪の毛の履歴にもよりますができるだけダメージをかけず、美容師さんに相談して慎重に施術してもらいましょう。
暗髪・黒染めしたことがある方へ
一度でも暗髪・黒染めしたことある方は、理想のハイトーンカラーにするのが難しい場合があります。
特にセルフで黒染めしたことがある人は要注意です。
黒染めの染料は通常のカラー剤より色味が濃く、髪の毛に残りやすく抜けづらくなっています。そのため、ブリーチをしても暗い染料が抜けきらずオンカラーで思った色味を再現することができなかったり、色ムラが出でしまうことがあります。
白に近いハイトーンカラーなどはブリーチでベースをかなり明るくしないと色が入らないので、暗い染料が残っていると何度もブリーチをしないといけなくなってしまいます。
何度もブリーチをするのは髪の毛への負担がかなり大きく、色が抜ける前にダメージに耐え切れず髪の毛が千切れたり伸びてしまったりします。それではせっかくキレイな色にしても元も子もありませんよね。
黒染めをしたのが1、2年前だから大丈夫と思う方もいると思いますが、黒染めの染料は髪の毛にずっと残るので髪の毛を切ってリセットしない限りは同じです。
学校や実習などで髪の毛を暗くしないといけない時は美容師さんに相談して今後のカラーに支障がでない暗めのカラーを入れてもらうのがオススメです。
縮毛矯正をしたことがある方へ
原則として、ブリーチした髪の毛に縮毛矯正、縮毛矯正した髪の毛にブリーチ、どちらの順番でも両方の施術を重ねて行うことはできません。
縮毛矯正とブリーチはどちらも美容室の中で最大級にダメージが大きい施術なので、重ねて施術を行うとほとんどの場合が髪の毛がちぎれてしまったり溶けてしまったりします。辛うじて髪の毛がちぎれなかったとしてもビビり毛になってしまい、ブリーチや縮毛矯正したことを後悔することになるでしょう。
まれに縮毛矯正とブリーチを重ねて施術しても大丈夫な方もいます。もともとの髪質が良く、ハリがあり、キューティクルの層の重なりが良い方は両方の施術を重ねても、髪の毛がある程度きれいな状態を保てる場合もありますが、その見極めは難しく過去の履歴やホームケアによっても変わってくるので自分の髪の毛は大丈夫だ!と過信せず極力ブリーチと縮毛矯正の施術は重ねて行わないようにしましょう。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
誰もが憧れるきれいなハイトーンカラーは髪質、履歴、美容師さんの腕で仕上がりが大きく変化します。
慎重にカウンセリングをお願いして理想のハイトーンカラーに変身しましょう。
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